前々回、「転職活動を行う前にやるべき!3つのこと」について、ご紹介しました。
具体的な内容を聞いてみないと、イメージは湧いてこないかと思います。
今回も、過去に受けた「相談内容」を用いて、ご紹介させていただきます。
相談の内容
職種には営業、接客業等のフロント業務、
後方業務として現場ではなく、事務作業をおこなうバック業務、
建築現場や製造業等の製造・作業現場の大きく3つに分類されます。
できるだけ身近な方で、良くある相談パターンをご紹介させていただくため、
今回は私の友人から受けた相談をご紹介します。
相談内容は「事務職の仕事に転職したい」というものでした。
友人は卒業後にメーカーへ就職し、ずっと営業職をしています。
ママになってからも営業を続けています。
営業職なので外出が多く、クライアントによっては遠方のため、
ママになってからは減りましたが、宿泊を伴う出張も年に数回ありました。
転職の経験はなく、新卒からずっと同じ職場で働いています。
当初の彼女の希望の条件は、3つありました。
・残業の少ない、自分のペースでできる仕事をしたい。
・オフィスの中で働ける、管理部門系の事務職をしたい。
・宿泊を伴う出張は避けたい。
営業職の経験者として
私も営業職を経験しています。
今も状況によっては営業しますが、以前と異なる点は数字的なノルマがないことです。
勤めながらの営業は、たいてい数字(売上)目標がつきものです。
今期の目標、今月の目標、いまの数字。
自分はいまどの程度達成できていて、今月は残りの期間でどのように行動して数字を積むか。
会社が売っているモノやサービスの内容によっても異なると思いますが、
私は営業職が自分の性格に合っていました。
基本は社内の誰かに気を遣い、様子をみながら歩調を合わせたりすることなく、
自分のペースで提案したり、進めていけることがとても良かったのだと思います。
一方、営業はクライアントに左右されることもあります。
そのため、早朝や時間外の業務がつきものでした。
私の場合は妊婦の時も、出産後も暫くの期間は営業をしていました。
子育てと営業職の両立は、始めは中々厳しいと感じました。
なぜなら、クライアント訪問のためにアポイントを入れていても、
子供の度重なる体調不良で急遽の休みが発生し、思い通りに進められなかったからです。
アポイントをリスケして貰っても、更にリスケ後の日程も出社できる状況ではなかったり‥。
思うように進められなくて、色々と苦しみました。
事務職を希望する理由
今回の友人以外にも、
元々営業職だった方が事務職を希望されて、転職活動を始める方は多くいらっしゃいます。
事務職を希望される理由として多いのは、定番の「ノルマや目標が厳しい」もありますが、
ママさんの場合はライフスタイルの変更により、「残業時間や予定が読めないから」も多いです。
クライアントとの関係が構築されていれば、ある程度ご理解いただけますし、
こちら側で管理できれいれば、問題ないこともあります。
しかし突発的なトラブルは発生しますし、急な対応が必要になることがあると思います。
キャリアプランがない
今回の相談の友人の場合、彼女の希望の要件は3つありました。
・オフィスの中で働ける、事務職をしたい。
・残業の少ない仕事をしたい。
・宿泊を伴う出張は避けたい。
保育園は閉園時間が決められています。
またご主人も忙しい方だったため、平日のサポートは難しく、
残業の時はファミリーサポートさんを利用して、保育園へお迎えにいってもらったり。
でも急な残業の時は、ファミサポさんが対応できないこともあります。
私も急な残業には苦労しましたので、日々回していくのが大変な状況はよく分かります。
この友人においても、キャリアプランや方向性はなく、日々の時間のやり繰りの苦労から、
「営業職ではなく、時間の読める事務職に転職したい」というものでした。
今後どのような働き方を目指していきたいのか、キャリアプランや方向性は必要です。
一時的な悩みを解決することだけを理由に、業界や業種を変えて転職すると、
先行きがとても見えづらく、その場しのぎ感が否めません。
職務経歴に一貫性がなく、キャリア構築も少し難しくなることでしょう。
数年後に「また転職したい」と思ったときに、
転職先でのスキルアップで身に着けた実務経験によって、
その後の方向性や、その先にチャレンジできる職種が変わってくるものです。
◆転職したいと思った理由を探る
彼女の場合、「転職したい」と思うに至る理由は、
「年に数回の出張」と「残業時間が読めない営業職」という業務スタイル(働き方)は、
「子供を育てながらの両立が厳しい」と感じたからです。
◆転職後にどのような経験を積みたいか
転職をご検討される方の中でも、特にライフスタイルが変わる子育て中の方は、
どうしても「今の働き方」を優先せざるを得なくなります。
一方、「今の働き方」に目が行ってしまうあまり、
この「転職先でどのような経験を積みたいか」という部分を見落としがちになります。
友人は「勤務時間(残業時間)の読める、事務職に転職したい」という思いと、
「いまの生活リズムを変えたい!」という気持ちが先行していました。
話を聞いていく中で、
業務についての本人の意向、今後の方向性が見え始めました。
・子育てが落ち着いたら、営業現場に戻りたい
・社外の方と関われる業務をしたい
彼女は始め、管理部門系の事務を希望していました。
管理部門とは、一般的に経理・財務・人事等の社内向けに対応することが多い職種です。
しかし希望を聞いていると、社外の方と関われる業務を希望しています。
更に話しを進めていくと、
「今までの経験を生かし、営業部門での事務的な裏方スキルを磨きたい」という、
ご自身の気持ちに気がつかれたようです。
人はついつい悩みにだけ焦点を当ててしまい、周りのことが見え辛くなってしまいます。
俯瞰してみることって、大切ですね。
◆ロングスパンで考える
「残業時間の読める、管理部門の事務職に転職したい」という気持ちが第一でしたが、
「将来営業職に戻るためのスキル維持・スキルアップのため、クライアントに関わることのできる
事務職に転職したい」という、彼女の意向もしっかり確認できました。
始めの「残業時間が読める働き方に変えたいので、管理部門の事務職に転職したい」
という気持ちだけで転職活動してしまうと、
事務は事務でも、管理系の全く違う分野の業務へ行ってしまうところでした。
目先の問題だけではなく、未来を見据え、しっかりプランを立てて動いていくべきです。
今後も営業職として生かせる職種、働き方はいろいろあります。
例えば・・、
・営業部門での営業アシスタント業務
・営業部での管理業務(クライアントへの提案書作成や数値管理等)
・外出をしないクライアントへの確認連絡やサポート
・営業企画部門
・架電、ファックス、メール営業
クライアントと関われたり、営業職を裏方で支える業務もあります。
一言で「営業」といっても、製薬会社で薬や医療品を医療機か抜けに販売するのか、
資材を販売するのか、工場用の機械を販売するのか等、
何を営業するか(サービスやモノの分野)や、
どのようなスキルを身に着けていきたいかによって大きく変わります。
営業職を裏方で支える業務でも、専門分野を深めることができます。
検討後の希望条件
更に話しを進めていくと、最終的な意向は下記に絞られました。
・営業部での管理業務(クライアントへの提案書作成や数値管理等)
・外出をしないクライアントへの確認連絡やサポート
結果
ご自分の中で、キャリアの方向性と今の生活をイメージしていただきながら、
具体的な案件や条件を提示し、メリットやデメリットを客観的にお伝えしました。
彼女は現在、東証一部上場の大手企業に勤めています。
最終的な彼女の意向は、まずは今の職場へ「働き方」について相談して、
職種転換や異動の希望を出す方向でいきたい。
今の職場へ相談した結果、
「もし上手く話しがまとまらなければ、その時点で転職活動を始めたい」
という意向に変わったようです。
その後
職場の方との話はスムーズに進み、転職することなく職種を転換し、
友人は営業部門で管理業務やクライアントサポートをしています。
このアクションにより、当初の悩みであった「突発的な残業」がなくなり、
今までとは違った、「営業部門で営業職に役立つスキルを磨くこと」ができているようです。
活気のある営業部門で、クライアントとコミュニケーションを楽しみながら、
これまでとは違う、提案書や報告書を作成したり、
どのような書類が見やすいか(分かりやすいか)をクライアントに確認しながら、
新しいことにチャレンジしていました。
約3年が経ちましたが、ワーク&ライフのバランスを取りながら、
今も楽しく働いているようです。
まとめ
営業職や突発的な残業のある働き方をされている方から、
ライフステージの変化に伴い、ご相談いただくケースはとても多いです。
ただでさえ、仕事と子育てを両立することは大変ですから、
一刻も早く「今の状況、悩みを解決したい」というお気持ちは、とても良く理解できます。
しかし一時的な感情を優先して、安易に転職するのではなく、
キャリアプランを持って行動することをお薦めします。
また「転職」は万人にとって、ベストな選択とは言えません。
人によっては、転職しない方が良いケースだってあるからです。
目先の問題だけではなく、未来を見据え、
プランを立て、「目的」を持って動いていくことが、
理想のキャリアへ辿り着くための近道です。
少しでも、皆さまの転職・復職のお役に立てると嬉しいです。
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